こんにちは、サメさんPTです。
ここまで令和2年度診療報酬改定のポイントについてお伝えしてきましたが、今回はシリーズ最終話
『外来リハビリテーション診療料の緩和』と『運動量増加機器加算の新設』について
お話していきたいと思います。

宜しくお願いします
外来リハビリテーション診療料の緩和
まず外来リハビリテーション診療料について軽く説明します。
別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、リハビリテーションを要する入院中の患者以外の患者に対して、リハビリテーションの実施に関し必要な診療を行った場合に、外来リハビリテーション診療料1については7日間に1回に限り、外来リハビリテーション診療料2については14日間に1回に限り算定する。
外来リハビリテーション診療料1 … 7日間に1回算定
外来リハビリテーション診療料2 … 14日間に1回算定

要するに毎週または隔週で診察をしなさいということですね
ここで2つ注意点があります。
週に2回以上のリハ通院が必要
2週に2回以上のリハ通院が必要

ひとつずつ説明していきますね
外来リハビリテーション診療料1
外来リハビリテーション診療料1の対象患者は、状態が比較的安定している患者であって、リハビリテーション実施計画書において心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料に掲げるリハビリテーション(以下「疾患別リハビリテーション」という。)を1週間に2日以上提供することとしている患者である。
と記載されています。
関東厚生局に問い合わせしたところ、患者さんの都合により1週間に2回のリハビリ通院が困難な場合は、診療録にその旨を記載すればOKとの事でした。(体調不良、天候不良、等)
また、これは外来リハビリテーション診療料2にも言えることですが次回算定日が休診日の場合、次週以降の予定がずれてしまうのがこの仕組みの難点です。
カレンダーを用いて説明していきます。
1月14日に外来リハビリテーションの依頼がありました。

宜しく頼むよ
医事課は外来リハビリテーション診療料1を算定しました。
毎週算定していくと、2月11日が祝日となり算定が出来ません。
しかし、先生の外来担当日は毎週火・土曜日となっています。
その場合次回の算定は2月15日となり、2月11日~2月14日の4日間はリハビリが受けられない状態となってしまいます。
対処法として、2月4日に外来リハビリテーション診療料2を算定すれば、2月18日に再度算定が可能となります。
外来リハビリテーション診療料2
外来リハビリテーション診療料2の対象患者は、状態が比較的安定している患者であって、リハビリテーション実施計画書において疾患別リハビリテーションを2週間に2日以上提供することとしている患者である。

どっちも状態が比較的安定している患者って書いてあるけど…
先生が毎週診察が必要な患者さんなのか、隔週で問題ない患者さんなのかで使い分けるイメージですね。
また、患者さんが仕事の都合上

週1回しかリハビリこれません
という場合、外来リハビリテーション診療料1は算定が出来ません。(1週間に2回以上なので)
その場合は、外来リハビリテーション診療料2を算定するといった具合ですね!
外来リハビリテーション診療料の見直し
やっと本題に入りますね(笑)
今回の診療報酬改定により、
カンファレンスの義務化が免除されました。
今回の診療報酬改定では『医師等の働き方改革の推進』が重点課題となっています。
外来リハビリテーション診療料を算定するにあたり、毎回カンファレンスを開催することは外来担当医にとってかなり時間的制約となります。
今回の改定で
外来リハビリテーション診療料1及び2を算定している場合は、医師は疾患別リハビリテーション料の算定ごとに当該患者にリハビリテーションを提供したリハビリテーションスタッフからの報告を受け、当該患者のリハビリテーションの効果や進捗状況等を確認し、診療録等に記載すること。なお、リハビリテーションスタッフからの報告は、カンファレンスの実施により代えることとしても差し支えない。
と変更されました。
もちろん情報共有は大事ですが、カンファレンスという記載が免除されましたので、カンファレンス記録を残す必要がなくなりました。
これにより、かなり時間の短縮が図れます。
もちろん疾患別リハビリテーションで開催されるカンファレンスにあわせて実施しても問題ありませんから、だいぶ楽になりますね!

いやー助かるよ
運動量増加機器加算の新設
引用元:PTOTSTネット
運動量増加機器加算 150点 (月1回)
脳血管疾患等リハビリテーション料(I)又は脳血管疾患等リハビリテーション料(II)に係る別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届出を行った保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して、運動量増加機器を用いたリハビリテーション計画を策定し、当該機器を用いて 、脳血管疾患等リハビリテーション料を算定すべきリハビリテーションを行った場合に、運動量増加機器加算として、月1回に限り150点を所定点数に加算する。
私が過去に使用した機能的電気刺激装置は『IVES』と『ウォークエイド』です。
ウォークエイドに関しては運動量増加機器加算の対象となっているようですが、
IVESに関する記事はないですね… 以下にまとめてみました。
個人的にはIVESのほうが活用の場が多いと思うのですが…
これから論文等がどんどん発表されれば、IVESも保険適応されるのではないでしょうか。

IVESのほうが適応疾患も多いし、導入コストも低いからな
また、近年の診療報酬改定では栄養に関する加算や言語聴覚士の算定拡大等、どんどん追加されていますね。
個人的には今回の運動量増加機器加算に『ジェントルスティム』も是非追加してもらいたいですね。
まとめ
第5回は
『外来リハビリテーション診療料の緩和』と『運動量増加機器加算の新設』 について説明しました。
ここまで5回に渡り令和2年度診療報酬改定について説明させて頂きました。
私自身確認不足な事も多く、まとめながら記事を書いたので多くの事を再確認することが出来ました。

ありがとうございました
今回の『運動量増加機器加算』の新設については、リハビリテーションの質に対し厚生労働省がしっかりと評価してくださった結果だと考えております。
もちろん、実現のためには様々な検証や臨床実験・研究が行われ、医師の先生方の多大な影響があることは百も承知です。
ですがその素晴らしい先生方が、リハビリテーションに意義を見出してくれたという事がとても嬉しいですね。
これからも運動量増加機器加算の新設にご尽力頂いた先生方に恥じぬよう、そして患者さんの心身機能が少しでも改善できるよう、日々努力していくことが大事ですね。
最後までブログを読んで頂きありがとうございました。

ありがとうございました。またお願いします。
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