臨床実習指導者講習会に参加してきました②

臨床実習指導者講習会 理学療法

こんにちは、臨床実習指導者講習会に参加してきたサメさんPTです。

前回の投稿で書ききれなかったので、続きを投稿したいと思います。

 

samesan
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引き続き宜しくお願いします

 

前回の続き

 

前回のブログでは

①カリキュラムの見直し
②ティーチングとコーチングの使い分け

 

まで記載させて頂きました。今回は

 

③臨床実習における指導者の心構え
④ハラスメントについて

 

について記載していきます。

 

 

samesan
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では、見ていきましょう

臨床実習における指導者の心構え

今までの実習とは異なり、臨床参加型では複数の臨床実習指導者による指導がスタンダードになっています。

実習指導方法

 

そして、ここがとても大事です!!

私が講習会を受講してとにかく叩き込まれたのが、実習指導者としての心構えです。
以降、講習会のテキストより抜粋していきます。

 

①実習生の心に寄り添ってあげる

アドバイス、提案、説明、評価、判断をするのではなく、その人の今の気持ちに気持ちや感情を傾けてあげることが大切である

 

②臨床実習指導者の構えの基本

・実習生は臨床実習指導者の下で学習を達成することを念頭に置く
・学習が進むように支援者となる
・実習生が勇気をもって相談できる良き理解者となる

 

昔のような『背中を見て学べ!!』

スタイルは今の学生には通用しません

 

③臨床実習の体制づくり

・複数の実習生を受け入れる
・複数の臨床実習指導者が指導にあたる
(マンツーマンによる指導だと評価が偏りやすい)
・教育とは学習者が目標達成出来るように導く役割を持つことを忘れない

 

また、日本理学療法士協会倫理規定基本精神第5項にはこのような記載があります。

理学療法士は後進の育成に努力しなけらばならない

また、指導者は臨床実習教育を通じて、子どもの成長を見つめる親のまなざしに似た、あるいは対象者の改善の喜びを同様に、実習を通じて大きく変化した実習生の姿を見る喜びを基本精神とする。

と記載されています。

samesan
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失敗しながらも、頑張っている姿を温かく見つめる

親のような感覚で指導しろってことですね

 

ハラスメントについて

ハラスメントについても、具体例挙げて説明してくれました。

正直『そんなのでハラスメント??』『勉強不足なだけじゃん』と思ってしまうような事例が多く、今の実習生はかなり守られているんだなと感じました。

 

samesan
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同様に、今は若手セラピストも守られていますね

①セクシュアル・ハラスメントの基礎知識

セクシュアル・ハラスメントには主に2つの種類があります。

職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けること
(対価型セクシュアルハラスメント)

性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること
(環境型セクシュアルハラスメント)

引用元:厚生労働省

 

②頻度の高いセクハラ体験

セクシャルハラスメント

 

③実習中のセクハラの具体例

・高頻度で電話、メールを送る
・個人的な話をしつこく聞く
・実習の内容とは関係のない性的な内容の話をする
・不必要な身体への接触をする、身体を眺め回す
・「スタイルがいいね」と言ったりスリーサイズを聞く
・「胸が大きい(小さい)など身体に関することを言う
・個人的な性体験を聞いたりする
・しつこく食事や飲食に誘う、自宅までの送迎を強要する
・女性(男性)であるというだけで不当に評価する
・性的な関係を迫る
・実習中や終了後のつきまとい行為

 

④セクハラに関する注意事項

実習生と指導者には、双方の「勘違い」が発生しやすい状況です。

実習生は指導者を学識の高さを人格の高さと誤解しやすい
指導者は実習生の誠意を自分への好意と誤解しやすい

 

コロナ禍によって実習中の飲み会は皆無となっていますが、飲み会のような場でもセクハラとなる事案が発生しやすいです(アルハラにも注意)

具体的には
・女性だからといって食事のとりわけを強要する
・女のくせに/男のくせに…といった言動

また、セクハラであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないということも注意しなければなりません

 

⑤アカデミック・ハラスメント及びパワー・ハラスメントの基礎知識

アカハラとは…

「研究教育に関わる優位な力関係のもとで行われる理不尽な行為」

 

パワハラとは…

「同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」

 

⑥実習中のアカハラ・パワハラの具体例

・指導をしない。必要な情報を与えない。挨拶を無視する。
・大声、怒鳴り声で話したり指導する
・「実習をする資格がない」「向いてない」「帰れ」等と言う
・他の実習生と比較したり能力の低さを指摘する
・不当な課題達成を強要する
・不当に低い評価を与えたり、単位を与えない
・実習と無関係な雑用を強いる
・自分の考えを過度に押し付けた指導を行う
・実習生はこうしろといった信念があり、それに該当しない実習生を不当に扱う

 

⑦最も不快だったアカハラ体験

アカデミック・ハラスメント

 

⑧なぜハラスメントが起きるのか

嫌がらせの意図を持って積極的に加害を行っている場合もありますが、多くの場合は
『行為者には嫌がらせの意図はなかったが、相手を傷つけてしまった場合』が多いようです。

発奮を促すつもりの発言がハラスメントになっている
日常会話のつもりがハラスメントになっている

 

こんなこと出来ないならやめたほうがいいよ
こんなことは小学生レベルだよ
彼氏・彼女はいるの?

 

では、事例を元に対策を考えてみましょう。

 

Aさんは4週間の評価実習に参加していた。指導者から「膝伸展の主動作筋と神経支配」について質問されたが答えられなかった。
「こんなことも知らないの?」と言われ、帰宅前のフィードバックの際にも「こんなことも分からないなんて学校で何勉強してきたの?」と言われた。
それを受け、これまで学んできたことを全否定されたような気持ちになり、なんとか実習に参加していたものの、週末「続ける自信がない」と教員に相談してきた。

 

samesan
samesan

ん~ちょっと…

正直それぐらい理解していて欲しい…

 

指導者としては率直な意見だと思います。というより、この知識レベルで2年生に進級出来るの?とむしろ学校の指導に疑問を抱いてしまいます…

ですが、令和の学生を指導しているサメさんPTは、このような学生を多々経験しています(笑)

 

具体的な対応策を説明します。

 

学校側の対応

①初期対応(まず、相談に来てくれたことを労い傾聴する)
②学生の保護(継続していつでも連絡していいことを伝える)
③背景因子の模索(学力や心理面に影響がないか。学力に問題がある場合は補足的指導を学校で行いながら実習を進めていけるよう配慮する。心理的影響があれば、まず状態を把握する)
④問題解決(慣れない環境で不安や緊張があることを前提とする。少しずつ出来ている、理解が深まっていることを自己評価出来る仕組みを検討)
⑤再発防止(必要最低限の学力、技能、態度を有しているか事前に確認し指導者と情報を共有する。実習終了後、学生にアンケートを記載してもらい対応方法を検討する)

 

指導者側の対応

①否定しない(思っていても口にしない)
②コーチングを意識(理解出来ない実習生には、ヒントを与え答えを導くように配慮)
③学校へ報告(実習を行う上で最低限の学力を有していない場合、学校へ連絡し、補足的指導を依頼する。実習継続が困難な場合、学校側から実習生へ実習継続の有無を聞いてもらう)

 

⑨ハラスメントの防止策

理学療法の専門性:身体接触を伴う評価及び治療技術を多く含む

⇨ ハラスメントの疑念を持たれないような配慮が必要

 

 ✖  昔はこうしていたから問題ない
 🔵  社会的背景に合わせた指導を行う必要がある

 

 

肯定的なフィードバックを心がける

・25%ルール(100%中25%出来たら褒めてあげる)

・褒める(具体的にどの部分がよかったのか褒める。当たり前のことを褒める)

 

叱ってはいけないわけではない
叱る=想っている
怒る=感情をぶつけている

 

叱らないことのデメリット

・やる気の低下(本来、叱るという行為はプラスのストロークである)
・実習生の成長の機会を奪ってしまう
・叱るということは「問題提起・改善提案」である

叱るときのポイント

・怒りの感情をコントロールする
・指導は「一番搾り」(改善点は1つに絞る)
・考えさせることが大切
・ビジョンを示す
・「褒める→叱る→褒める」のサンドイッチで

 

⑩実習生への対応

指導者の方はこのような経験をきっとお持ちだと思います…。それは

・何度同じ内容を伝えても行動が改まらない学生
・周囲の空気を読めない学生
・自己評価が高い学生
・意欲の乏しい学生
・学習成果が不十分な学生

 

 

いや、私が評価した結果は◯◯でした。

やってきませんでした。よくわからなくて~

 

 

指導者のアドバイスに対し、自分の意見を押し通したり素直に納得出来ない学生は意外と多いですね。「いや」「ちょっと違います」などの発言が多いです(笑)

上記のような実習生が来たときの対応です。

 

行動が改まらない実習生に対して

・指示を細分化する
・説明に使用する語句を言い換えてみる
・実習生の特性により視覚的/聴覚的に伝える
・少しでも行動に変化があったら褒める
・指導記録をつける
・指導方法を誰かに相談する

 

空気を読めない/自己評価が高い実習生に対して

・実習に先立ち、長所/短所を整理するし客観的に自己評価をする
・振り返りの機会を頻回に、丁寧に設定する
・課題は実習生が自主的に設定出来るよう援助する

 

意欲の乏しい/成果が不十分な実習生に対して

・実習の到達目標を適宜確認する(高望みしない)
・得意な面を強化してから苦手をサポートする

 

 

こんな感じでやってみよう

 

 

ハラスメント対応をおさらいしていきます

 

親身になって聴く
話をさえぎらない
根堀り葉掘り聞き出さない
事実と解釈(感情)を分けて聞く
聴く側の主観で判断しない
評価的なコメントはしない
論点の不統一をとがめない
相談者の要望を確認する

 

 

つづく

 

3部作構成の2部まで終わりました。

 

samesan
samesan

長くなってしまってすいません…

 

次回は⑤臨床実習の到達レベル⑥実習生の評価について説明していきたいと思います。

 

 

 

最後までブログを読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

 

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