こんにちは、臨床実習指導者講習会に参加してきたサメさんPTです。
前回の投稿で終わらせる予定だったんですが…
思ったよりハラスメントの項目が長くなってしまったので、3部構成でお伝えしたいと思います。

引き続き宜しくお願いします
前回の続き
前回のブログでは
③臨床実習における指導者の心構え
④ハラスメントについて
まで記載させて頂きました。今回は
⑤臨床実習の到達レベル
⑥実習生の評価
について記載していきます。
臨床実習の到達レベル
まず、無資格者である実習生が患者さんに理学療法を行うことに対し、違法性の阻却をしなければなりません。
詳細はHPを参照して頂けると幸いですが、そもそも法律からみた臨床実習とは下図のようになっています。
引用元:衆議院答弁本文情報より
引用元:臨床実習教育の手引きより
医師が行う診療の補助行為を行う看護師の枠組みのさらに中に位置する診療の補助としての理学療法を行っているという立ち位置です。

だからPTの立場って肩身の狭い所が多いんですね…
そして、ここからが重要なポイントになります!
臨床実習における合否ラインについてです。以前は
②疾患にあわせた評価項目を挙げ、評価を実行出来る
③評価を元に治療プログラムを立案出来る
④立案したプログラムを実行出来る
⑤再評価を行い臨床推論が出来る
こんな感じだったと思います。
なので、実習に合格し国家試験を通過した理学療法士は、即戦力として病院で働いていました。
しかし、現在ではこのようなハードな実習は法律で認められていません。PTになって3~4年かけて一人前のPTを育てていくというのが現実です。
以下に臨床実習において学生が実施可能な基本技術の水準を掲載します。
具体的な内容は下記のとおりです。
引用元:臨床実習教育の手引きより
水準1の実施が妥当なラインになります。水準1のみを抜粋すると以下のようになります。
引用元:臨床実習教育の手引きより
水準1には理学療法の評価項目が記載されていますが、実際評価をやったことない学生さんがほどんどです。

授業でも習ってません…
私も評価項目すべてを授業で習った記憶はありません。
実習前に理学療法評価学の教科書に記載されている項目はすべて友達同士で練習しました。

私の時代は『ベッドサイドの神経の診かた』です
本来実習というものは、学校で習った知識や技術を、実習指導者の監視下のもと行うことであり、そもそも知らないことをイチから教えていたらキリがありません。。。
なので、限りある実習期間内で実際に実施出来る項目としては赤線の部分が妥当なラインかと思います。
また、青線の項目に注目してほしいのですが、急性期病院では「リスクの低い状態」があまり存在しません。
どこまで実習生に参加してもらうかは病院の判断に委ねられています。
要約すると
臨床参加型実習では、水準1の項目をすべて実施可能なレベルまで到達させることは不可能。よって、項目内容を可能な限り体験させてあげる程度が実習の到達レベルになります。
先程の症例検討型実習時代の合否ラインと比較すると
こんな感じです。

実習生の到達目標は『ある程度の助言・指導のもとに基本的理学療法を遂行できればいいのです』
実習生の評価
今までは実習中の出来が、学内での単位に多大な影響を及ぼしていました。
実習先の指導者に『実習の出来が悪いから単位は不可だ』と学校側に伝え、留年するなんて話はよくありました。
ですが、単位取得に関して実習先が口出しする権限はありません。
学生評価の目的は、学生の成長や学習を進展させるために行うものであって、決して学生の自信を失わせたり学生の成長や意欲を削ぐものになってはならない。
実習前の学生評価としてCBT(多肢選択筆記試験)とOSCE(客観的臨床能力試験)があります。ですが、健常者が模擬患者となって実施する技能試験には限界があり、正直臨床ではほぼ役に立ちません(笑)

所詮、学生の医行為の違法性を阻却するためって感じですね
よって、実習中の出来が直接単位に影響を与えてはなりません。
あくまで学校側の評価の材料のひとつに実習の出来が影響するということです。
なので、出来なくてもこの程度の学生ですってスタンスで実習を進めていき、実習終了時にありのままの評価をつけてあげればいいのです。
その結果を学校に評価してもらって下さい。

俺が育てないと!って意気込みすぎず、肩の力を抜いて指導すればいいよ
講習会に参加して
今回臨床実習指導者講習会に参加して、今時の若者に対する接し方を学んだ感じがします。
批判的な意見が多かった参加者も講習会が進むにつれて、『それじゃ学生さんが困るかもしれないから…』と学生を思いやるのが当たり前になっていました。

ちょっと洗脳されてる感じでした
また、講習会プログラムをご覧頂くとおわかりかと思いますが、『演習』の時間がとても多く確保されています。
座学の後に演習が設定されていて、様々なテーマに対して各々アイデアを出していきます。8人程度のグループで考えをまとめ、模造紙のような紙に意見をまとめていくのですが、
司会進行係、記録係、発表係、他グループの発表を聞きに行く係などすべての役割をこなしていきます。
各々アイデアを出す時も他人に発言を任せることは出来ず、必ず自分の意見を出さないといけません。
演習があったおかげで時間があっという間に過ぎましたが、積極的に意見することが苦手な人にとっては、かなり辛いかもしれません…
まとめ
こちらの記事をご覧になっている方は、これから『臨床実習指導者講習会』を参加してみようかなと思っている人かと思います。
実習指導者として必須なのでもちろん受講するに越したことはありませんが、令和の時代を生き抜くには、是非受講することをオススメします。

令和元年以降に就職してきた若者の指導をするためのノウハウが、たくさん詰まっています
実際私が働いている職場の役職者も、出来の悪い若手セラピストの指導に昭和感を持ち出してしまい、パワハラ案件になりそうです…
またアオアシの受け売りになってしまいますが、令和時代を生き抜くためには思考を変えていくことが必要かもしれません…
頭を作り替える
引用元:アオアシ(28巻P127)
ことが必要なのです。
最後までブログを読んで頂き、ありがとうございました。
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